昨年に引き続き、高円宮記念日韓交流基金の顕彰式典で皆様とお会いすることができまして、大変うれしく思います。この式典も今回で14回目を迎えますけれども、日本と韓国の青少年・草の根交流に携わる方々や、それを支援する企業・団体の皆様が、日本と韓国から共に集まって受賞の喜びを分かち合えることが何より幸せと感じております。
そうした心温まる交流を長く続けてこられ、今日ここに高円宮賞と特別賞を受賞される4件の交流事業の方々に心よりお祝いを申し上げます。また、それらの事業を支援してこられた方々にも、心よりそのご努力に感謝を申し上げます。
早いもので、宮さまがお亡くなりになりましてから20年以上が経ちました。宮さまは国民一人一人がお互いに仲良くなれば、国と国も仲良くなり、共に新しい未来を切り拓くことができるという信念を、私たちに希望の種として託してくださったように感じております。
思えば、日本と韓国は古来密接な関係にあり、韓国や日本という国名が誕生するはるか昔から、人や文化が海峡を越えて行き来しておりました。両国が手を取り合って歩んできた輝かしい歴史があるということは紛れもない事実です。どのような困難な状況にあっても、ぜひともこの希望の種を育て、お互いを尊敬し、支え合う未来を作り上げていければと思っております。
真の国際交流とは、国や組織単位ではなく、その国や組織を形成する一人一人の人間が一歩ずつ進めていくものです。国としての立場がたとえどのようなものであっても、国民同士がまず強い信頼の絆に結ばれていることが最も重要だと考えます。日本と韓国とは、隣国として昔から文化や価値観を共有する大切なパートナーであり、ぜひとも将来に向けて変わることのない信頼と友好の関係を固めて参りたいと存じます。
信頼の絆というものは、一朝一夕にして築き上げられるものではありません。しかし、いったん築き上げられれば、その信頼関係はそう簡単に壊れるものでもありません。相互理解には、普段からの絶え間ない交流が必要であり、特に次代を担う青少年が新たに築き上げる友好関係こそ、両国の未来を構築するものと言えましょう。日韓の関係が改善しつつある今こそ、こうした民間交流が重要です。それぞれの地道な交流がどんどん周りを巻き込んで、私たちに託された希望の種は元気に育ち、必ずやたくさんの美しい友情の花を咲かせてくれると信じております。
あとで具体的なご紹介がございますが、高円宮賞を受賞された3件の交流事業、そして1件の特別賞は、いずれも素晴らしい内容のものです。毎年こうした交流事業に接して、私は国籍を超えて一つの目的のために邁進されている温かくてたくましい方々のお姿を拝見し、感動するとともに、とても明るい気持ちになります。
人と人の信頼関係によって築かれた友情の絆は、どんな逆風の中でも途絶えることはありません。
この先、さらに多くの方々のご支援がこうした活動に集まるよう、ご列席の皆様には一層のお力添えをお願い申し上げます。これからも地道な草の根活動によって、日本と韓国の人々の出会いの場が広がり、交流の絆がさらに強くなっていくことを願いまして、私の式典に寄せる言葉といたします。